高齢者の一人暮らしを支えるには

一人暮らしの高齢者には周囲のサポートがとても重要です。そのために、身近な家族や社会ができることは何でしょうか。

●家族ができること
状況にもよりますが、家族ができることの一番は、やはり「一緒に暮らすこと」です。自分にも家庭があったり、仕事があったりという理由で、同居が難しい場合は、公的な見守りサービスを活用すると良いでしょう。特に、認知症がある高齢者は、腐っているものを食べてしまったり、暑くてもエアコンを使わずに脱水症になってしまったりするおそれがあります。そのような事態を回避するには、介護施設や訪問介護などのサービスを利用して、介護の専門家が毎日、あるいは定期的に接触するような状態をつくることが大切です。

また、高齢者が元気に動けるうちは、働くことで社会との接点を持つことができます。身体的な事情でそれが難しいようであれば、サークルやボランティア活動、自治体といったグループ活動に参加するよう、家族が促してあげると良いでしょう。

●社会ができること
高齢になっても働けるように、国や社会にも高齢者を積極的に雇用する動きが出ています。厚生労働省の「平成28年『高年齢者の雇用状況』集計結果」によると、2016(平成28)年における65歳以上の常用労働者数は増加傾向にあります。
65歳の定年制を廃止した企業の数は、従業員数31人~300人規模の「中小企業」で3,982社(前年より137社増)、従業員数301人以上規模の「大企業」で82社(前年より17社増)という結果が見られます。
また、66歳以上の継続雇用制度を導入した企業の数においては、中小企業で7,147社(前年より633社増)、大企業で297社(前年より52社増)、70歳以上まで働ける企業の数は、中小企業で30,275社(前年より2,281社増)、大企業で2,203社(前年より246社増)という結果になっています。

雇用以外では、住民同士がお互いに助け合える地域づくりを行うために、2012(平成24)年の介護保険法の改正から、「見守り」などの生活支援実施が、国や地方公共団体の責務として規定されています。

今後ますます高齢化が進むと予想されることから、見守りサービスや介護施設の種類と数を充実させていく必要があるでしょう。一人暮らしをしている高齢者が社会との接点を持ち続けられるよう、グループ活動を行いやすくするための体制や環境作りも課題です。
高齢者の一人暮らしが引き起こす問題

高齢者の一人暮らしには、認知症の進行によって引き起こされるトラブルや、孤独死などの問題がつきまといます。

●認知症の進行
一人暮らしの高齢者が認知症にかかると、地域の約束事を守れなくなり、近所の住人とトラブルになることが懸念されます。例えば、症状の悪化に伴いごみ出しのルールを守れなくなったり、悪いことと認識できず大声で騒ぎ、騒音の苦情が発生したりすることがあります。最悪の場合、今住んでいる部屋からの退居を余儀なくされたり、犯罪に発展したりするケースもあるため、認知症高齢者を一人きりで生活させるのは問題が大きいといえます。

厚生労働省の「都市部の高齢化対策の現状(平成25年)」によると、要介護認定データによる認知症高齢者数は、2010(平成22)年9月末で280万人です。これを、前述した同年度の高齢者人口全体に占める一人暮らしの割合(31.4パーセント)で見ると、約88万人です。さらに2025年には、認知症高齢者は400万人で、37.2パーセントの高齢者が一人暮らしになると予測されているため、一人暮らしの認知症高齢者は約150万人にも及ぶ見込みです。

●孤独死
高齢者の一人暮らしについて考える上で、孤独死もまた避けられない大きな問題の一つです。
東京都福祉保健局 東京都監察医務院が行った調査結果「東京都監察医務院で取り扱った自宅住居で亡くなった単身世帯の者の統計」によると、東京23区で65歳以上の高齢者が孤独死した数の推移は、2003(平成15)年は1,441人であるのに対し、2012(平成24)年は2,727人と、およそ倍に増加しています。

 

高齢者が元気に暮らせる環境とは?なかなか難しい問題ですが、一つ一つ出来ることを家族や社会が体制を整えるしかない。あまり高望みせずにまず家族やエリアの一人一人が出来ることから対応してゆき、社会として出来ることの後押しをする環境を整備する。何が出来るか一人一人が考えましょう。

 

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